2013年 02月 16日

夏の終わりのニルヴァーナ レビュー

評価:S
※tksuzukaさんよりレビューを寄稿していただきました

お話のポイント:

・ヒロインが全員死んでいること。
・主人公は閻魔大王の息子であり、ヒロイン達の死後を裁くために現れる。
・現実世界ではなく死後の世界であるが、いわゆる「この世」と大差がない。

進めて行けばこの辺りの設定は掴めると思いますが、てっきり「この世」のスタートと思いきや、
ヒロインが全員死んでいたでござるという結構ぶっ飛んだスタートです。
あ、ちなみにクオンは訳あって死んだ扱いではないが「あの世」にいます。理由は後述。


最初の共通部分は普通のエロゲとなんら変わりがないのですが、たまに妙なカットインが入り、
ヒロインの生前が垣間見えます。結構鬱、気を付けて下さい。
後、何気ない共通部分が伏線だらけなのでボーっとしてすっ飛ばすことはオススメ出来ません。
前述のカットインはもちろん、ヒロインの言動が後々にかなり繋がります。
私は油断をしていてネモを作りながらプレイしていたのですが、後悔しました。
気を付けましょう。


・ミハヤ
目を離すと気軽に自殺しようとします、いやお前死んでるって。
超ネガティブ思考で鬱病を思わせるかのような気だるさを見せるのですが、これ重要。
個別に入ってもその傾向は変わらず、何かにつけてはすぐ死のうとします。いやお前(ry
そうなると、主人公はどうしてすぐに死のうとするのか調べ始めます。
その後分かったことを要約すると両親と死別し、唯一無二の味方である叔母と暮らします。
特に父親の死に深く関わっていたミハヤは、その理由から親戚や近所から忌み嫌われます。
それが原因で頻繁に自殺をする動機になっています。
私は誰からも必要とされていない、いない方がいいんだ。と強く思っているミハヤ。
本当にそう思われているのか……主人公と生前の過去(なんか変ですが)を覗くことによって……という感じです。
それを踏まえた上でミハヤは主人公の裁きを受けるわけですが……


家族云々とかじゃなくてもっと根本的なところを突いています、もっと自分のその周りを考えようと思いました。


・ナユ
超元気っ子キャラだけどすぐに電池切れを起こしてバテてしまいます。
異常にゲームが得意ですが対照的に身体を動かすことは苦手のようです……勘の良い方はナユの生前にピンとくるのではないでしょうか。
そういうことが生まれてから続いたナユは自分が生きていることに意味はあるのか、深く嘆きます。
学校にも満足に行けず、ベッドから起きることもままならない生活を続け、何も出来ない、何も残せない。
そんな自分に意味はあるのかと思うのも無理はないでしょう。
しかし、あることが切っ掛けでナユの生前の行動がいろんな方面で広まっていることに気が付き改心します。
そして主人公の裁きを受けるわけです、ナユの生前に同情した主人公は温情判決を下すのですがナユは……


これはネタバレしたくないので是非プレイして下さい。
ちなみに、ナユは最後にすることをオススメします。


・レイア、ノノ
お嬢様だったらしいレイア。そして謎の多いノノ、はいていない。
レイアの自宅に行くと自分もここに住んでいたと話すノノ、謎は深まるばかり。
おもちゃのピアノがあり、これは何か関係しているなとすぐにピンとくると思います。
ただし、中二病のポエムは全く関係ないです。
やたら他人を毛嫌いするレイアと「ご主人様」と慕うノノ、この二人はセットで話が進みます。
レイアだけ、ノノだけ、ということは出来ません、気を付けましょう。
どうやらレイアとノノは生前、一緒に暮らしていたらしいことが判明します、レイアは何で気が付かなかったんですかね……?
生前、ある理由で他人から軽蔑の目で見られていたことが原因で、レイアは他人を毛嫌いするようになりました。
その後も周りの人間を排除し独りでいることを選択します。
ノノはレイアの孤独を引き止めるために「ある」ことをします……まぁ予想は付くかと。

そして主人公の裁きを受けるとき、レイアとノノは別々の裁きを受けなければならなくなりますがレイアとノノは……
超切ないので泣き上戸の人は手元にハンカチを用意しましょう。


・クオン(上記4人攻略後、クオンルート出現)
主人公の幼馴染みたいな女性、主人公の言動にやたらツッコミやたら嫉妬します。
もうそういうのいいわぁ〜と思いネモを作りながら流していたのですが、


この辺、超重要!

クオンはずっと主人公と一緒にいるため、「あの世」の住人であります。
1200年くらい生きているそうですよ、もうBBAとかOBSNとかどうでもいい世界ですね。
しかし何故、クオンが主人公と同じ住人なのか、クオンはここに来るまで何をしていたのか、
それを知らないことに主人公が気が付きます。
そして主人公はそれを知るために大胆な手法を行います……
その後一気に1200年前まで時が吹っ飛ぶのですが、いわゆる平安時代のお話になります。
藤原是公(ふじわらのこれきみ)とか早良親王(さわらしんのう)とか、実在の人物が出てきます。
ストーリーも多分史実にある程度沿ったものだと思いますが、如何せん平安時代の知識が中学生止まりな私にとって、
この辺りの時代考証は不可能でありました。平安時代に詳しい人お願いします。


どうやらクオンは1200年前に会った「この世」の人間らしいということが分かり、
クオンの正体が判明するのですが、同時にクオンに対する裁きも知ることになります。
その裁きを主人公自らが下すために行ったこととは……

泣いた、超泣いた。泣き上戸の人は(ry




総評:

超面白かった(小並感)。

シナリオのボリュームをコンパクトにしつつ、質を高くするということをやってのけたゲームだと思います。
なんか見慣れた共通部分が実は伏線の塊という事実に驚愕した、と同時に共通部分って本来そういうものですよね……とも思いました。
このゲームは「カルマ(業・因業)」と「縁」というワードが頻繁に出てくるので、これらがこのゲームのテーマだと思います。
キッチリとシナリオの核になっており、きちんと昇華していると思います。


一応エロゲらしい部分は各ヒロインのルートであるのですが、おまけ程度の扱いです。
クオンルート終了後に見れるといった扱いから、おまけなのかなと思いました。
ただ、シナリオの本線にそれらを入れなかったのは私は正しいと思います。
(入れてしまうと、このゲームのテーマが崩れる、形骸化するため)
え? クオンとイチャイチャ出来ないの? 他のヒロインと絆を深める(意味深)ことは出来ないの?


そういうゲームじゃねえからこれ!


ゲーム中には輪廻転生といった仏教の概念が多く出てきたり、上記のテーマといった理由などから、
少なからず相容れない人がいらっしゃると思います。
(それこそ、宗教上の理由でプレイ出来ません、という人がいらっしゃってもおかしくはない)
私も最初はその辺が引っ掛かってAぐらいが妥当だろうか、と思っていました。
ですが、最後のクオンでやられました。
結末を知った上でクオンと主人公のやり取りを思い返すと、とても切ないです、泣けて来ます、むしろ泣く以外の選択肢が無い。
そういった単なる私情からSを付けさせて頂きました、誠に申し訳ありません。


「最近のエロゲって不作だよなー」

と思う方はこのゲームをやってみる価値はあると思います。
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by minatokako | 2013-02-16 18:57 | エロゲ | Comments(4)
Commented by minatokako at 2013-02-16 18:59
tksuzukaさん、ありがとうございました。
レビューを見る限り面白そうではありますが、車の人とのキャッキャウフフを期待するとそのベクトルの違いに驚いてしまいますね。。。w
Commented by iron at 2013-02-20 02:03 x
普通に良作だと思いました。
何か似てると思ったら鍵作品と似てますわ、これ
Commented by 古古@レビュー at 2013-02-20 08:33 x
ブログ訪問者にエロゲレビューを募集して実際に載せたところは、もしかしてここが初めてなんじゃないですか?(笑
Commented by minatokako at 2013-02-20 21:12
みんなでつくる参加型Blogを目指しています!!



・・・


といいつつ、私のキャパを越え始めているので、もうこれしか。。。存続の道は・・・・


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