2011年 07月 03日
評価:S+ minatokakoのオススメ 久遠の絆です11年のときを経て蘇りました(初代PS版からは13年) なんというか言葉がありません こうしてレビューを11年ごしに書けることに心から感動と感謝をしております 久遠の絆、それは私にとって間違いなくその人生に影響を与えたゲームでした 後にも先にもこれほど衝撃を受けたゲームを知らないし、ただただ私の琴線に触れてくれたすばらしいゲーム たかがゲーム? たかがゲームでもこのゲームと出会えたことは本当に幸せなことです 胸がいっぱいで、何をどう書いて、どう表現すればいいのかわかりませんができる限りの私のパトスを書けたらと さて、久遠の絆はそもそもPS版で発売され、その後DCで再臨詔というシナリオを追加し発売されました 私がプレイしたのはPS版無印ではなくDC版の再臨詔です ここではDC版(以後PS、PS2も交えてCS版と呼称)の話はしませんが、その久遠の絆がXuseの全面協力により 成年向けPCゲームソフトとしてリメイクされることとなりました ※エロゲと呼称するにはあまりにも抵抗があるので、珍しく成年向けといわせてください リメイクといっても単純にエッチシーンを追加するのではなく、全登場人物をガラ変さて完全にCS版とかけ離れた別作品として生まれ変わったのです ちなみにCS版との違いは↓ ・シナリオ大幅変更 ・フルボイス化 ・年齢制限有 それってもう久遠の絆じゃないんじゃね? しかししかし、現代編の登場人物はCS版そのままで、性格やキャラ設定のベースはCS版 そして物語の方向性はやっぱりCS版に沿っているので、まったくの別作品というわけでもありません メインライターは同じだし、BGMも当時のものだし、立ち絵やベースのCGも当時のものをそのまま利用してくれているのでファンには別物だという認識よりも あぁ久遠の絆だと実感させる雰囲気をやはりあるのです ただし私の中では久遠の絆並み居るすべてのゲームの中で(多少思い出美化補正がかかっていたとしても)最高峰のゲームだったわけで 登場人物の変更、シナリオの大幅修正というのは同じライターだったとしても不安の残るものでした では、そんなPC版久遠の絆、果たして面白かったのか? ずばり評価から見てもおわかりいただけるように非常に面白いゲームと断言できます ただCS版と比べてどうだ?と聞かれると答えに窮します ゲーム全体のトータルバランスはPC版のほうが高いと思います プロットの構築、シナリオの完成度、テキストのレベル、そういったものはPC版に軍配があがります ※ただしCS版と新規シナリオとのつなぎ目はお粗末過ぎです(※後述) CS版は粗を探せばでてくるもので、非常に高いレベルにありながらプロットの構成は悪くないもののシナリオが甘く 細かいところで説明不足の描写がかなり多いです そのつど脳内補完に頼るか、こまけぇことはいいんだよで気にしないようにするしかありませんでした またテキストが安定しておらず、神経質になれば書き方に稚拙なところが多くありました(キャラ間の呼び方が特に安定してなかった、苗字でよんだり名前で呼んだり) 基本的にレベルは高いのですが、今にして思うと書き方に古臭さも多く、キャラの多くが説明口調だったりしたものですが PC版はそういったところがほとんど改善され、安心して違和感なくテキストを追えました ※CS版にキツイこといってますが、そんなこと気にならないくらいレベルは高いです そういった意味で完成度という点で見ればPC版の方が高いと思います ですが、お話としてみれば CS版のほうが私好みであると言えます どうしてもレビューというよりCS版との比較になってしまいますが、本稿はそれで進めさせてください CS版とPC版の違いは何か それは久遠の絆としてもテーマの違いになると思います CS版の久遠の絆は鷹久と蛍の輪廻転生を繰り返して続く1000年の恋というのが大きなテーマです PC版は壮大な恋物語ではなく、神代から続く神と土蜘蛛の戦いの輪廻というものがテーマになっています PC版のそれはそれで面白いのですが、私の中で久遠の絆というのはやっぱり悲恋で結ばれることなくとも何度だって生まれ変わり、また恋をする そうして繰り返し紡いでいくからこその「久遠の絆」だという印象とイメージが大きく 私が心打たれたのはまさしくこの部分が大きいのです 神なんて、世界なんてどうでもいい、ただ鷹久が蛍が、武が万葉がいればほかに何もいらない そういった世界観とテーマこそに魅力があり、何人たりとも二人の愛を引き裂くことができない絆の力こそが最大の魅力だったのです 打って変わってPC版ではそういうものよりも神々の使命を重視し、結ばれるために何度だって生まれ変わるという意味合いが薄いです 万葉と結ばれることをゴールとするCS版、悪神との因縁を打ち破ることをゴールとするPC版という違いがあり、どちらがいいかというのは好みでしょうね ただ、旧久遠ユーザーが私と同じところに魅力を感じているのであればPC版には物足りなさがでるかもしれません これはこれでいいんじゃないかというところまでの印象しか打ち出せなかったことこそがPC版のすべてであったと思います キャラクターの魅力は、特に万葉は断然CS版のほうがよかった で、もう少し掘り下げてレビューしていきます なおここからはものすごいネタバレを含むので、このゲームに限り、ネタバレ推奨ではないので未プレイの方はここで引き返してください 普段あまり使わないMore機能をつかって続きを書きます まず今回シナリオ以外に大きく変わったといえばフルボイス化だと思います CS版はボイスなしでした ボイスなしでも満足できた作品に対し、ボイスの付加というのはかなり大きな賭けだと思います やっぱり原作ありきだとこんな声じゃねーとか、うわー合ってねーとか、下手だ・・・とかあるわけです 私は久遠の絆に関してはボイスはいらないと思っていますが、否定派というわけではありません ただ願わくばイメージを壊さないでほしいと切に思ってました こういうのは思い入れが強すぎるだけに声優さんに非はなく、ユーザー一人一人に感じるところが違うので正解はないと思いますが以下私が思ったこと ・万葉 一色ヒカルさんの演技力は文句なしだと思います。 正直CS版の万葉にはちょっと合わないかなーと危惧してましたが、PC版では万葉の性格がかなり大きく変わっているので、逆にそれが功をそうしてうまくはまっていたと思います ただ現代編の万葉の後半は良くも悪くもCS版に引きづられているので申し訳ないですがここだけはちょっと違和感 でも総じてみればよかったと思います ・栞 夏野こおりさん、たぶん今回のキャストで1番のはまり役だったんじゃないでしょうか・・・ 通してプレイしてみると違和感がないどころか、あぁ栞ってこういう声だったんだと脳内INPUTされちゃいました 恐ろしいことです ちょっと幼い感じなど私の考える栞像をまんまだしてくれていました グッドです、グッジョブ ・沙夜 超絶無難 アダルトな魅力を出せる若干アルト気味の声優さんを想像していたのでかわしまりのさんはベストキャストだと思いますし 栞同様に脳内にしみこんでいくようにINPUTされました よいですね ・薙 実は私の中では薙の声だけはなんかイメージできてなかったんですよね 作中ではアルトっていってましたけど、若干ソプラノ気味の幼くもなく大人でもないような声のイメージでしたが CV青山ゆかりさんと聞いて、一番期待をしていたんですが・・・・ んー・・・パパモードのときの薙の声は期待通り、ただし天野聡子モードのときの声はちょっと違うかなという印象 か弱いやさしい声で演じていらっしゃいましたが、もうちょっと低めの大人っぽい感じの声でやってほしかった 当然そういう演技はできるはずなので、制作サイドと私のイメージの相違なんでしょうねぇ とメインキャラはこんな感じ 名指しで否定するのは申し訳ないですが、男キャラは総じてだめでした、私には 特に汰一だけは私の中では許せないレベルでひどく、イメージとは合わないわ、演技はいまいちだわ、聞くに堪えないので個別音声OFFしてしまったくらいです プロじゃない?ユーザーを使ってるとのことでしたがこれは失敗だったんじゃなかろうか・・・ あと意外なところでPC版はイザナミ様がよく登場するのですが(CS版はイザナミと明言しないどころが出番万葉ルートの最後だけっていう) このイザナミ様の声が個人的にはすばらしかった、芹園みやさんスゲー あんまりこういう声で普段演じていらっしゃらないのですごいなーと脱帽 そんなわけで音声追加は久遠の絆の世界観に厚みをましたことは増してくれたとは思いますが、まぁなくても成り立ったかなとう感想です 次にシナリオ まず万葉の性格がかなり変わっていたことに困惑 ひたすらに穏やかで優しく女神のようなヒロイン像があったと思うのですが、 何故だか出来の悪いツンデレになっていた 平安編なんかでは結構すれちゃってる万葉にΣ(゜д゜lll) 後あれだけ武日照一筋みたいなこといってて、重仁に惹かれて恋人になってしまうのは1000年変わらぬ愛というCS版があるだけになんかちょっとショックでした その後は主人公一筋になって、転生しても主人公を愛しているのですが、その間も度々武日照のことを口に出すので、んー・・・と思ったり まぁ実際は武日照=重仁なわけで一筋の愛は貫いてはいるんですけど、重仁の中に武日照の人格もあるので完全に同一人物ってわけでもなく、 何より万葉が別人だと思っているところに曇りを感じてしまった 別に独占厨とか処女厨を言い出すつもりはないけれど、万葉に限っては独占的なものであってほしかったです ただCS版で書かれなかった万葉の生い立ちなどが書かれているので一応すっきり 平安編では万葉の性格の違いに加え、主人公との許されぬ愛ではなく、ただの朝廷との対決のための協力者ってシナリオになってしまっていたため お話としては面白いものの、どこか物足りなさというか微妙さは残りました 何より神剣の神秘性がほとんどなくなってて非常に口惜しいw CS版では神剣=絶対無敵の切り札、そしてそれに選ばれた主人公ってわかりやすいヒロイックなところが好きだっただけに残念 ただまぁこれも久遠の絆の1つのあり方かなとは思えたのでよしとする 夏休みのお祭りは大体CS通り ただ万葉のあれはCG詐欺だろうwwwひどすwww ただ汰一の行動がすごい気になった PC版でも汰一は過去からずっと万葉に狂おしいほどに惚れている設定がなされいるのですが、この理由付けが薄い だって平安編ではほとんど登場しないし出番もないです そもそも万葉と絡んだことなんてほとんどなく、むしろ妖魔扱いして攻撃してたくらいです なのにべた惚れっておかしくない? これについては後ほどその理由の「言い訳」が語られますが明らかな違和感です 一目ぼれしたけど妖魔だと思って攻撃した、というのはまだいいけど その妖魔じゃないって誤解はいつとけたわけ?私が読み飛ばしてしまっただけ? つかそもそもあれだけ平安編では殿下殿下と主人公を敬っていたくせに、急に兄貴面? なんだか汰一という存在はことPC版ではものすごい異質で違和感の塊でした CS版ではよきライバル、よき家族、そして報われず弟の女に横恋慕してしまうという立ち位置がありましたけどPC版ではそんなのないからなぁ そもそも万葉に平安からこっち歯牙にもかけられてないっていう・・・ 元禄編はまたごっそり変わっていて最初は運命のごとく万葉と主人公が惹かれあう描写で、おーこれこそ求めていた久遠って感じでよかったんですが 万葉が記憶を取り戻すと主人公に不信感を抱きつつ避け始めるのでなんかびみょー・・・ 主人公もどっちつかずの蝙蝠な態度でびみょー・・・・ 結局万葉を選んで今度こそ主人公を信じてというところで二人で死んじゃってえー・・・ ここでは一切神剣もでてこず、結構微妙でした 何がやりたいシナリオだったのか見えず 昭和編は幕末編とかわって近代の話ですが、正直これの出来、最悪です なにがなんだかわからない・・・ 宣伝文句では薙に関係する天野家の話で、聡子に転生する1つ前の話がメインだといってましたが お話自体短く、さすがにここで神剣の話がでてきますが戦争に神剣を使うとかもうわけわかめww 出来の悪い芝居でもみているような感覚で困りました 結局何がやりたかったの・・・このルート・・・w CS版はそれでも神秘的な神剣のなぞに迫るような話でしたがこれはそれもなく・・・オイ CS版みたくなぜか転生のたび惹かれ合う万葉と武、そして毎回のピンチに必ず神剣が登場して窮地を脱するも死に別れてしまうっていうわかりやすい天丼構図をうやむやに壊しておいてこれだとげんなりですな・・・ で、現代解決編ですが ここは基本構成がまんまCS版なので急に万葉がしおらしくなってしまうし、主人公が神になるとかの儀式もないのでんー?といったところ 敵も土蜘蛛じゃなくて世界の死だったりしてちょっと敵役の存在感が薄い でも基本のベースはCS版そのままなので万葉の違和感以外は面白い だけど何故か初回ではBADED確定という罠があります ラストだけCS版とは違っていて、万葉だけにフォーカスしたCS版とは違い、PC版ではハーレムチックに進みます どちらかというとPC版は薙を失っていない場合の再臨詔に近いです 再臨詔のラストの不満をすっきりさせてくれるような展開で悪くないのですが、個人的には万葉だけ・・・少なくても+薙だけの展開に留めてほしかった ハーレム的な展開はそれはそれでありですが、夫婦神となるという感動のラストはCS版のそれがよかったなぁ 別にPC版のラストも悪くないので両方残してほしかった 最後に全体的に・・・ 薙の出番すくねぇーよ!!! ちょとちょっと、薙って万葉につぐ久遠のキャラだろうに!再臨詔やれとは言わないけど、幸せに「パパ」と暮らす描写とか見せてくれてもよかったんじゃないか! と血の涙を流す私でした FD商法でいいからその後の世界って感じで日常ルート垂れ流しの薙編作ってくれないかなー・・・まじで頼みます(´;ω;`) あ、そうだ神代編はこの物語の発端を描くものですが、主人公の記憶として再現されるわけではないので使い方がちょっといまいちかなって思いました こんな感じで不満だらだら書いてますが、面白かったですよ ただCS版のほうがいいなぁってどうしても思いますね キャラに思い入れが強い旧久遠ユーザーはCS版のほうがいいかもしれない 久遠の絆を超えるのは久遠の絆だけ ただ敢えてベクトルの違う「久遠」を見せてくれたのは喜ばしいものなのかもしれません 評価はS+ですが、CS版ほどの感動がなかった以上SSは無理でした しかし、今年度最高作品候補である!ということは間違いないでしょう、お勧めです
by minatokako
| 2011-07-03 22:39
| エロゲ
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